大阪市西区に、水上交通のターミナル機能と商業施設を併せ持つ複合施設「中之島GATEサウスピア」が2025年4月6日に開業する。

施設内には大阪・関西万博の会場となる人工島「夢洲(ゆめしま)」へと水路で直行できる「公共船着場」が整備され、万博来場者や観光客の移動手段として活用される見込みだ。

水上交通の拠点として万博・観光を支える公共船着場
中之島GATEサウスピアは、大阪府が主導し、公募で選定した民間事業者と連携して整備を進める水上交通の拠点で、安治川左岸(大阪市西区川口)に位置する。
海(大阪湾)と川をつなぎ、夢洲(大阪・関西万博会場)などのベイエリアと、道頓堀や中之島など大阪の主要観光地を結ぶ水上交通の拠点としての役割を担う。

敷地面積は約7,900平方メートル(河川区域部分)で、管理は大阪府、運営はbiid株式会社が担当する。
施設内には、公共船着場のほか、レストラン、券売所、待合所、歴史資料コーナー、多目的広場が整備されており、観光客の利用だけでなく、地域の賑わい創出も期待されている。
桟橋は事前予約で一般も利用可能
公共船着場には、海船(約48m)と川舟(約20m)が乗り入れ可能な桟橋(バース)が設置されており、最大2隻まで同時に係留できる。
万博期間中は、特別運航便が発着する拠点として活用されるほか、一般の船舶も事前予約により利用可能となる。

利用希望者は、船の種類やサイズに応じて適切な桟橋を選択し、事前予約が必要となる。詳細は公式サイトで案内される予定だ。
2025年6月には、モーターボートやヨットなどの小型船舶が利用できるプレジャーボート船着場も開設される。
グルメ+観光による商業機能も充実
施設には、食の魅力を発信するエリア「フィッシャーマンズワーフ中之島GATE」が併設され、新鮮な海の幸を和食・洋食・BBQなどで楽しめる飲食施設が展開される。
室内席、テラス席を中心としたレイアウトとなっており、利用シーンによって選択肢が広がる。

・寿司左舷(スシサゲン)
関西近海で獲れた新鮮な魚介をふんだんに使い、見た目のインパクトも楽しめる寿司や海鮮丼を提供する。
店内の水槽の活魚を職人が目の前でさばくライブパフォーマンスも見どころだ。
・BBQ&HAMAYAKI Pier34north
手ぶらで楽しめる海鮮BBQ施設。機材レンタルが可能で、BBQ初心者でも利用しやすい。夜にはライトアップが施され、都会の水辺で非日常の雰囲気を味わえる。
・シーフードレストランUGEN(ウゲン)
開放的な水辺のテラスで特徴的な洋食シーフードレストラン。鮮魚や牡蠣、ロブスターを使用した新鮮なシーフード料理を提供する。

文化展示で多目的な交流空間としても機能
中之島GATEサウスピアが位置する大阪市西区川口地区は、かつて「大阪開港の地」や「川口居留地跡」など、大阪の近代化において重要な役割を果たしたエリアである。
敷地内には旧居留地を再現したジオラマや、大阪港開港を示す石碑が設置され、歴史資料の展示スペースも整備される予定だ。
単なる観光スポットではなく地域の歴史や文化を発信し、学びの場としての役割も担うことが期待されている。

今後の発展が期待される水上交通ネットワーク
同施設の船着場は「大阪府の河川占用許可」を得て設置されており、万博限定の仮設施設ではなく、今後も恒久的に活用されるインフラとなる。
市内の各地へも船でアクセスできるようになり、水上交通の利便性はさらに広がっていくだろう。